「海外に行けば英語が身に付く」という落とし穴
先日、「英語を話すのに、単語力は重要ではありません。」という記事を書いたのですが、
この話の続きで、私も思いっきりはまった、海外留学に関する大きな落とし穴があります。
それは、海外に半年以上留学すると「自分の知っている単語だけで、自分の意志を相手に伝える事」がすごく、うまくなります。
これはつまり、
たとえ留学しても、意図的に難しい単語を覚えようとしない限り、単語の知識が身につかないんです。
すると、留学をして、英語を話せるようになっても、日本に帰ってから、TOEICや英検などの資格試験で、全く点数がとれないというジレンマに陥るんです。

「オーストラリアなどに、ワーキングホリデーで留学して、日常会話は、話せるようになったので、日本に戻って英語を武器に仕事をしようと思ったが、仕事で戦えるレベルではなかった」というのは、まさにこの典型的な例ですね。
ただ、これには、以下の2つの例外があります。
①留学する前に、受験英語でかなりの量の単語を既に身に着けている人
②海外の大学で専門課程の授業を受け、学校から強制的に膨大な量の本を宿題として読まされた人です。
私も、1年半ほど、アメリカの短大に留学しましたが、短大なので、4年生の大学の専門課程ほど、膨大の本を読まされる事もなかったんです。
英語で会話する事も困らなくなり、それなりに自信もあったのですが、日本に戻ってTOEICを受けて、あまりの点数の低さに愕然としました。
その時は、どうして点数が取れないかわからなかったのですが、今となると、「単語力の低さ」が原因だったのがよくわかります。
そこで、結論です。
「日常会話を話すのに、単語力は重要ではありません。」が「TOEICなどの資格試験で、結果を出すには、単語力が超重要です。」
そこで、「じゃぁ、TOEICでいいスコアが取りたいから、とりあえず単語を頑張って勉強しよう」と思ったあなた。
「英語は、まず単語を勉強してから」という人の落とし穴
今までまったく、英語に興味を示さなかった夫が、最近、「英語を勉強したい」と言ってきたので、週末の時間があるときは、夫に英語を、本当に基礎から教えています。
先週も私が、不定詞の説明をして、その後、一緒に不定詞の問題をやろうとした時のことです。
問題をざっと見た夫が、こういったんです。
「この問題にでてくる、単語の意味がほとんどわからないから、文法の勉強をするのは、もう少し単語を覚えてからでいいや」
これって、英語を勉強して、挫折する人の典型的な考え方です!!

英語の語彙力というのは、スポーツでいうと基礎体力。
例えば、まったく運動をしてこなかった、あなたが、テニスを始めたとします。
レッスンに行ってみたら、少し走っただけでも、息があがり、レッスンの次の日は、筋肉痛で体中の痛みが(;^_^A
すると、コーチに、「あなたは、基礎体力がないから、まず、毎日走ったり、家で筋トレをして、基礎体力をつけてからまた来てくださいと」と言われたら、どうしますか?
私だったら、確実にテニスをするのを諦めます(笑)

英語も同じです。
単語を覚える事は、英語の上達に不可欠ですが、はっきり言って、あまり楽しい勉強ではありません。
それだけを、ずっとやってたら、誰でも嫌になるとおもいませんか?
では、どうしたらいいかというと、運動と同じで、毎日、少しづつ(10分~20分ぐらい)を継続的に行うことです(筋トレと同じですね)。
そして、その後、リスニング、文法や長文読解など単語以外の勉強をしてください。
ここで、TOEICの勉強をしている方に、ワンポイントアドバイスを!!
TOEICの文法問題を解く時は、まず意味より形に注目してください。
つまり、
1.主語は何か?
2.メインの動詞はどれか?
3.修飾関係、つまり語句同士の前後のつながりは、どうなっているのか?
をまず考えてくださいね。
文法問題は、意味がわからなくても形を見れば解ける問題も多いので。
「TOEICにでてくる品詞問題(単語の意味がわからなくても品詞を考えたら判断できる問題)」がまさにそのいい例ですよね。
一度は、問題を解くのを拒否した夫も、その後形に注目して文法問題を解いたら、10問中9問正解でした。
【結論】英語学習の落とし穴にはまらない方法
「じゃぁ、結局どうしたら落とし穴にはまらずに済むの?」と思った、あなた。
大切なのは、「目的」と「バランス」です。
つまり、「英語が話せるようになりたいのか?」「資格試験で点数が取りたいのか?」「洋書が読みたいのか?」etc
そして、目的がなんであれ、ダイエットで1つの食べ物をひたすら食べ続けても痩せらないと同じで、一つの方法、例えば、単語だけを勉強しても非効率で挫折の原因になります。
「単語」「リスニング」「文法」etc、バランスよく勉強することが大切なんですね。